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舞台「囚われのパルマ ―失われた記憶―」を見てきた話と感想

舞台版「囚われのパルマ」に行ってきましたのでその感想でも(ネタバレします)

わたしはパルマに関しては「各々のハルト(アオイ・チアキ)」がいると分かっていても「自分のハルトじゃないハルトの話は一切聞きたくない」と思うタイプの夢女なので、舞台で心配していたことのひとつに「客席で他人のハルト萌え語りとかききたくない」というのがありました

それでも舞台に行ったのは、多くの人が持っているであろう「自分とハルト」の物語を大切にして舞台化してくれたことと、キャストが好きな人だったこと、最近観劇に行っていなかったのもあり舞台を見たいな~と思ったからです

あとはやっぱりハルトが大好きなのもありますし、遠方で見に来られない友人のかわりに見て感想を伝えたいというのもありました

舞台化に際しユーザーに対する配慮を感じていたので、とても原作とユーザーを大切にしたうえで、丁寧に舞台化された作品だったと思います

それをすべて踏まえたうえでの、個人的な感想です

✿ 2020/9/26~ゆるゆる加筆修正中です

 

舞台の個人的な感想

相談員と出会う前の如月晴人という研究員の日常を描いている「ビハインドストーリー」です

研究者としてのハルトがどのように政木さんと関わっていたのか、ハルトってそもそも他人とどんな風に関わっていたのか、記憶喪失前のハルトってどんな感じだったのか…などなどが知れた貴重なストーリーでもあり、原作のキーアイテムでもある「ベアトリーチェ」にも関わるお話でした

ビハンドストーリーなのもあって、いわゆるゲームの「パルマらしさ」というものは、薄く感じました

どこに「パルマみ」を感じ取るか

パルマの最大の魅力はプレーヤー=自分であるその没入感にあると思っているので、ただハルトの過去を知るだけだったら自分のタイミングで読み進められる小説とかでもよかったかなぁと思いました

というのも、割とずっとハルトの生活を追っているだけで、なかなか原作の相談員に結びつく要素を(あくまでもわたしが)見つけられなかったんですね

パルマが持つ“没入感”を舞台に持ってくるのはもちろん難しいことではありますが、これがあるともっとよかったのになあとどうしても思ってしまいます

ハルトの過去を知るだけだったら舞台じゃなくても良かったし、相談員と出会ったことで世界が少しずつ変化していくパルマのよさと舞台のよさがもっと絡み合っていたらよかったのになって感じてしまいました

それゆえに良い悪いと一言で言えない、というのが個人的な感想で結論です

舞台は素敵でしたし、キャストが悪いだとか物語が悪いだとか演出が悪いだとかそういうものでは一切ない、観客としての自分自身のあり方の問題があり、あんまりパルマが持つオンリーワンのよさを感じられなかったなあというのが少し残念でした 

 

良かった点

もちろん知らないハルトを知ることは当たり前にうれしいですし、舞台という「生」だからこそあるハルトの息遣いや、生身の人間が演じるからこそ見えるハルトというのも実際にあります

個人的に舞台のよさは集合知のような部分にあると思っており、一人の人間が登場人物について深く考え、咀嚼し、そこから表現されるものは「原作とは違う」発見につながるし、多くの人間が築き上げる一つの完成系を知ることは、新しい気付きにもつながります

この「原作と違う」というのはもちろんいい意味にもわるい意味にも働く場合がありますが、公式が認めたひとつの答えとして出されているものではあるので、なるべく素直に受け取りたいな~とは思います

 

研究員時代だったハルトを知れた

パルマの特性上、基本的に対象者と関わるのは看守かプレイヤーしかいないので、ほかの人とどんなふうに話すのかは結構疑問だったと思います。特にハルトの場合は相手の感情が色で見えてしまうという能力もあるので、個人的にはあんまり想像できない部分もあったので。まあビズログの留学時代SSとかには載ってましたけども

そんな中で、結構ハキハキとしゃべっていたのが印象的でした

舞台なので役者さんの匙加減だとも思いますし、個人的にはかなり切り離してみていたのでそんな気になったわけでもないですが、今までハルトと触れ合ってきてハキハキしゃべるんか~い!みたいな気持ちになったのは事実で、それが決して悪い意味ではなく、「そういうハルトの可能性」を今まで考えていなかったので、新鮮だったしとてもよかったです

個人的には、会話をはじめ、全体的にゆったりとしたテンポで生きているところがハルトの特に好きな部分ではありますが、研究員だしきびきびすることもあったのかなぁと考えたりできて楽しい発見でした

研究室のみなさんもなんだかんだ言いつつもハルトを理解している方が多くて、ハルトとの結婚式にみなさんを読んだ時のことを思い出したりしましたね(脳内記憶)

 

パルマの音楽で紡がれている

これは本当にすごくよかったです。こういうのは本当に舞台ならではの素晴らしい点ですよね
いや~もう劇場はいったときからパルマの音楽なの。親の声より聴いたBGMみたいな世界ですよ

素敵な曲が多いから幸せなのもあるけど、ああこういう気持ちのときにはこの音楽なんだなぁとか今はこれなんだなぁとか、ハルトとのテレフォンでのやりとりとかを思い出すような感じがあってよかったです

 

ハルトへの愛しさが増す

これはめっちゃある。いやわからんわたしはあった
やっぱりハルトが好きだなぁってすごく思ったし、ハルトのさみしいきもちや悲しい気持ちに少しでも寄り添うことが出来たのかなぁとかいろいろ思ったりしました

シーハイヴに収容されてからのハルトの日々がダイジェストされるラストパートとかはちょっとウルっときちゃいますね、やっぱりね

最初研究員ハルトはハキハキしていると言いましたが、やっぱり記憶を失ってからのハルトのお芝居はわたしたちが出会った目深にフードを被りぽそぽそと言葉を紡ぐキサラギ・ハルトなので、その対比の意味もあるんだろうなぁと思います

あとやっぱりもっくんのハルトはめっちゃいいですね…


キャストについて

キャストのみなさんは本当に素敵でした。特にハルトを演じた太田基裕こともっくんに関しては、発表されたときから「そらもっくん以外にハルトできる人おらんでしょ!」と思っていました

観に行ったのももっくんのハルトならハルトだと思ったからだし、もっくんじゃなかったらたぶん行っていません

あとめっちゃどうでもいいんですがもっくんの声が何気なくしもんぬに似て聞こえてもっくんもええ声してるよなぁとあらためて思いました

 

まさきさん…

まさきさん、マジでこう…いい意味で使いますけど、本当に気持ち悪いですね

ゲームでもね、結構…こう、相当なもんでしたけどあの人。マジでリアタイのまさきを知るとうわぁってくるものがありますよ。舞台という生の熱だからこそっていうのもありますが、本当にうわぁ…って感じでとてもよかったです

いっそハルトの話って言うかまさきさんの話ってくらいまさきさんマジで強かったですからね

 

ともちんの狩谷さん仕事めっちゃできそう

小見出しにすべての内容が詰まってるんですが、ともちんの狩谷さん、めっちゃ仕事できそうなんですよ。いや狩谷さんも仕事できる男ではあるんですが

やっぱりこにたんのお芝居とは違うので、スパスパしているというか、かっこいい男なんですよね。いや~~ともちんの男役やっぱいいよね……好き…

まあそれはさておき、狩谷さんが持っている敵か味方か分からない不敵さが不気味さというよりも「伊達男」ぽさで出ていたなぁと思います
あとやっぱマントが似合いますね…

ただゲームの狩谷さんそのもの!!というわけではないので(そのものじゃないっていうのも舞台の良いところですが)なんとなくハルトとのやりとりにもどことないやさしさを感じました。わたしはどちらの狩谷さんも好きです 

 

思ったこと

相談員抜きでは難しい気がする

これかなぁと思います

何度かハルトの過去の回想が出てきたりもしますが、もう少し小出しに「約束の女の子」が出てきていてもいいかなぁと思いました。あれは相談員だしね

多分見ていて「相談員の自分」につながるものがあまりなかった…とわたし個人は思ってしまったから、それが「パルマっぽさ」を感じられなかった理由の一つでもあるのかなぁと思いました

でもまぁ難しいのは難しいなぁと思うんですよね。例えば最後に相談員とハルトの出会いのシーンがありますが、相談員の存在を示す必要もあり、ハイヒールの靴音がするんですね
その時にわたしが思ったのは「ああ今日わたしヒールはいてきてないや」だったので

それに対する悲しみだとか失望だとか怒りだとかそういうものは一切なく、「履いてくればよかった~!」くらいの残念さでしたけど、やっぱり「リアルな自分」が色濃く出るのがパルマなので、そういうところでもちくちく感じてしまうものってどうしてもあるだろうなって

そうなると「約束の女の子」であっても、あんまり相談員は出しづらかったんだろうなぁっていうのは思う

 

やっぱり見たいのはメインストーリー

パルマって、切なさと愛おしさがぎゅっとつまった作品で、自分がキャラクターと恋愛をする乙女ゲームであっても恋愛シナリオとしてとても上質なものだと個人的には思っているんです

ハルトと自分が紡いできた物語は、誰一人まったく同じ人は居ないとは思うけど、それでもやっぱり大筋はあるわけで、見たいのはメインストーリーだなぁって思ったんですよねぇ

その場合やっぱり相談員がネックになっちゃうから難しいって言うのは分かる
でも見たいじゃん?メインストーリー見たいじゃん?じゃあどうするか…

そうです宝塚です

わたしは以前もヅカで舞台化しかないっしょみたいなことを言いましたが、本当に自分の趣味とかじゃなくてそれしかないと思うんだよなぁ

だって宝塚って本当に宝塚でしかないからパルマでも宝塚になるし見る人もハルトがそもそも生物学上男じゃない時点でハルトじゃない…ってなるかもしれないし、それが無理な人は見られないと思うしちょうどいいと思うんですよ

そして相談員は超絶可愛い娘役ですよ?最強の夢アバター爆誕

やっぱバウホールで頼むわムラまで行くよその時は~~~言って言って~~

 

小説でも良かった気がしちゃう

新規客開拓もあるだろうし、舞台というチャレンジもあると思うのですが、小説とかだとよかったかなぁという気持ちも少しありました

舞台がダメとかじゃなくて、やっぱりパルマって本当に自分対ハルトのものとして楽しんでいる人が多いから、人によってはいろんな気持ちになるだろう…というのも見ていて感じたし、自分としても小説だと自分のペースでハルトの過去を知っていく気持ちを味わえたかなぁ…という気もします

かといって舞台がよくないだとかそいうことは本当に言いたくないしそもそもそんなことはなくって、舞台だから見えたパルマの世界というものもあったし、舞台だからこそそこにある「パルマ」もあったと思います。うまく言葉にできないけど

アオイくんだってやってほしいし見たいですが、もう少し相談員が出てこないと難しいんじゃないかなぁっていう印象はどうしても持ってしまいます

ていうか…まあ…本当に、正直、正直な感想言うとわたしと出会う前のハルトのこと結構どうでもいいな~~~!!!?と思いました

いやでもこれは雑な女のわたしの感想だからあれなんだけど、まあほぼこれだった

なんかもう少し、相談員に出会ったことによって、そして記憶がよみがえっていくことによって、つらいことも喜びも増えていくハルトの気持ちを示唆するようなものがあるとよかったなぁというか…
たとえばチアキ・カシマくらいマジで過去がキッツ~誰か助けて…みたいな重さだったら、彼の過去をなぞっていくビハインドストーリーも「相談員と出会う意味」の大きさみたいなものを強く感じられたと思う

ハルトにもそれが全くないわけではもちろんないけど、うーん…正直研究室のハルトの生活でも全然ハルトって問題なく生きているなって思うんですよ

そりゃあ他人の心が色として見えてしまうという悲しみや苦しみがあって、そしてそれに対する理解者も勿論いなくて、嫌でも見たくもない人の感情が見えてしまうというのはとても疲れるから、その中で何も見えない相談員に出会ったハルトの戸惑いはもちろん救われるような気持ちって大きいと思うんです

でもそれって別にゲームしてても想像できることであって、そこをさらに大きくするような過去のしかけがあったならなぁ…という気持ちがやっぱり少しあるんですよね

淡々と過去を知る感じだったのが少し残念でした。それなら小説でもよかったなぁって気持ちは少しあります

 

その他

ベアトリーチェのこととか

正直一人目のハルトが好きすぎてぶっちゃけハルト編頻繁にやり直したりしていないのでハルト編で覚えていることは「わたしとハルトは運命だったね」っていうポエム感情オンリーなので、黄金の蜂計画とかベアトリーチェがどうのとかさっぱり覚えてなかったんですね

なのでチャーのお話で出てきた時もそんなんあったあった(すっかり忘れた顔)状態だったんですけど、まあ舞台でも…そうでしたよね…

いや難しい話を覚えるだけの知能がなくて…申し訳ないんだけど…新情報とかあったのかなぁ?見てた限りなかったような気もしたんですが、こんな感じで開発がスタートしたんだねぇと思いました

あとこのころから諜報員に入られてるシーハイヴがガバガバでほんのりウケました。悪いことはできないね

全然舞台に関係ないことですけど、「ベアトリーチェ」って本当に罪深い名前というか、いろいろ思ってしまいますよね…これまさきさんにとってもハルトにとってもかかっているものだと思うんですけど…舞台のまさきさんを見て、改めて色々なことを思ってしまいました

 

 

なんか釈然としない感想になってしまいましたが、本当にキャストのみなさんは素晴らしかったし、丁寧に作られている舞台だと心から思います

もうちょっとパルマだったら相談員要素欲しかったな~~~!!!っていう、本当にこの一点ですかね…パルマにとってはかなり大きいものになるから扱いが難しいのもわかるし、だからこそなかなか…

ただアオイくんがあるなら観に行きますし、今回舞台という形でまた新しくパルマの世界に触れられたことや、ハルトを知ることが出来たことに心から感謝していますし、何よりも楽しませていただきました!よ!