好きなものを好きだと大騒ぎしたいタイプのオタクです。こんばんは
そんなわけで、かなりまえTwitterではやったこれをやったのよ。だからね、細かく書くのよ
このブログはなんのためにあるかって好きなものを好きだと大音量で言うためにあるのよ。だからここでまた書くのよ
そんな感じの前置きはさておき、案外うーん見つからないなー!って思ったりしてました。例えばテニスの王子様とかジョジョの奇妙な冒険とか遊戯王とか、もはや当たり前すぎて忘れていたというか…(どうでもいい話を脚注にいれる)*1
基本的に「あなたの価値観(人格)を構成する5つのマンガ」だと思って選んだ5作品です
作品の面白いポイントを順に説明しているのではなく、自分が好きなところを好きなだけ切り取って話してるからめちゃくちゃ長いし同じこと何回も言ってる
長すぎて5つ同時に載せらんないな!って思ったので3作品にカットした
文章が…へたくそだから…同じことで長々と……
「ゴールデン・デイズ」――高尾滋
生きてるうちはもちろん死後も全人類の感想を墓にそなえてほしい
いやもうなんでこれやったかってゴールデン・デイズ読んでください全人類って言いたいがためだけにやったところある
人生で何億回言ってるかわからないくらい言ってる。わたしの人生を構成しているマンガと言われて真っ先にこれが浮かぶし、この作品以上にすべての価値観を構成しているものはないです。っていうくらい特別な作品です
おはなし
異様に過保護な母にトラウマを抱える男子高校生の相馬 光也(高1)。彼の拠り所は、ヴァイオリンと入院中の曾祖父・慶光。ある夜、慶光危篤の知らせをうけ、光也は病院へ駆けつけるも地震に襲われ、病院の階段を転げ落ちてしまう。
光也が目を覚ますと、大正10年8月31日の東京だった。慶光に生き写しの光也は、慶光と勘違いされたまま、大正時代で生活を続けることに。
「もしも時が戻るなら…あいつをきっと助けに戻るのに―神様時間を戻して」
時の狭間で聞いた曾祖父の悲痛な祈りを胸に、なぜ自分はこの時代へやってきたのか、慶光の後悔とは何なのかを考えながら、光也が東京に現れた日に姿を消した“16歳の慶光”の消息を追う。
あたたかい人々、大正という時代の厳しさ、これから世界に起こる様々な苦難と向き合いながら、時を超えて人を愛し、慈しみ、守る、大きな愛の物語。
という、ひらったくいうとタイムスリップ大正浪漫でちょっとブロマンスな少年同士の友情を描いた物語です。平成を生きていた少年が大正時代の貴族の家で生活し、文化の違いや価値観の違い、今と変わらない部分や全く違う部分にふれ成長していきます
好きなところ
余韻のある読後感
高尾滋先生の作品はとにかく「やわらかくて、しなやかで、美しくいとおしい」のが特徴かな~と個人的に思います
ゴールデン・デイズを読んだ後は、物語の空気が自分の心に宿るというか、物語を凝縮したかけらが残るような感覚があります
読み終わるとまた1話を開きたくなるし、タイトルもじっくりと味わいたくなる
なんてことないと思ってしまうような「ゴールデン・デイズ」というタイトルが、読後にはきらきらと輝いて見えます
愛しくて、切なくて、やるせなくて、もどかしくて、苦しくて、それでもどうしようもなく幸福だと思えるところが、この作品が持つ繊細な魅力だと思う
読み終わった後どうだったのかをいろんな人に聞いてみたいと思う作品です
繊細で美しく、やさしい言葉
高尾滋先生の作品は、詩篇のように美しく繊細でありながら、鮮やかに人物の感情を描き出す「言葉」も大きな魅力の一つです
自分でもうっかり見落としそうな「わたし今悲しかったんだ」みたいなことを、しっかりと「悲しいんだよ」って分かるように教えてくれる
登場人物全員が自分の感情にも相手の感情にも敏感で聡いのですが、脆さがなく、芯が強くてしなやかなので、「傷つけた」「傷ついた」を拾い上げて描写しても決して砕けず、優しく昇華してくれる
ゴールデン・デイズは平成生まれの少年が大正時代にタイムスリップしてしまう話なので、共有できる常識や情報が少なく、「言葉にしても分かり合えない」状況も発生します
どちらも真実を伝えていても、認識が違うので噛み合わない。荒唐無稽で受け入れられない。序盤は積もった不満が噴き出す場面も多々あります
それでも彼らの心を永遠につなぐものは、やっぱり「言葉」から生まれていくのがいいなぁって。高尾先生が紡ぐ言葉のやわらかさがこの作品の血液だなあって思う
二度と会えない親友に贈る言葉
主人公、光也が時を超えた親友・仁に贈る言葉が本当にもうすっごいなって
是非読んで味わってもらいたい台詞です。「自ら幸福になることを選択しない、二度と会えない親友」にどんな言葉を投げかけたらいいのか。どうやったら親友の人生を一生照らし続ける言葉を残せるのか
作中で光也は、きちんと仁の人生を一生照らし続ける言葉を投げかけるんですが、この台詞が本当にすごい。読んでいるわたしもそれに納得できる台詞なところがすごい
人生でこんなに美しく素晴らしい台詞にはもう二度と出逢わないだろうって心から思うし、今までの人生でこの台詞以上に感動した台詞はないっていうくらいぶっささっている言葉なので、本当にいろんな人に読んでほしいんだよな~~~
タイムスリップもので見たいエンディング
これは確実に個人の好みですが、タイムスリップものでこういう「時間」の描き出し方をしてくれた作品に出逢ったのは初めてでした
光也と仁の二人が時のなかで奇跡のように出会い、信頼を育み、一緒に過ごしてきた時間も過ごせなかった時間も、二人の人生のどこを切り取っても、出会った瞬間から死の瞬間まで、二人は一緒にいると信じられるような「感情が時間を超越する」友情が描かれているんですよね
自分の人生の中に相手が常に存在していて、相手のことを想った時に、世界のすべてが相手に向かっていくような関係というか。相手を思った時、一瞬で心がその愛おしい時にタイムスリップできるというか
二人の間には現実的な時間という概念なんて関係ないほどお互いが結びついている
「心という空間において時間を超越して二人が出逢う」というか。これこそまさに「時間を超越する」タイムスリップ作品で自分が求める形なのかなと思います
幸福が時を超えて届く
先述したようにゴールデン・デイズは印象的な台詞やモノローグがたくさんありますが、この作品を象るものとして「幸福が時を越えて 届く眩いばかりの日々が」というものがあります
もうね、ほんとそれなんですわ
この感覚は最後まで読まないとたぶんわからなくて、途中中だるみを感じたとしても、できれば最終話まで読み切ってこの感覚を味わってほしい
「人と人が想い合う」究極の形
わたしはBANANAFISHのアッシュと英二を想う時、どうしてもこの作品の仁と光也のことも思ってしまうし、逆もまたしかりなのですが、それは彼らが「人と人が想い合う」ということの究極の形を描いていると感じるからだろうなぁと思います
人間関係のある種の終着というか、答えというか。諸行無常、諸法無我、色即是空、空即是色なこの世界で、たとえ相手が目の前からいなくなってしまったとしても、永遠に残るものって何だろうって考えたら、心の中にその価値を置くしかないと思うんですよね
わたしは永遠について思いを深めたいタイプのオタクなのですぐ永遠という言葉にときめいてしまうんですが、物質的なものってどうしたって有限だと思う
たとえば三千年後にも残したいという思いがあって、または神の臨在を証明せんとして作られている宗教芸術や歴史的価値のある石碑も、きっと「永遠」を目指して作っただろうなって。だからこそ目に見える物に、可能な限り長くその価値を刻むわけですよね。たぶん。どうでもよかったら残さなくていいし砂に書いておけばいいことだから
それらに価値を見出すのは知的好奇心だけではなく、そこに込められた当時の人々の祈りや願いに思いを馳せられるからだと思うんです。ていうか個人的にはそういうところが好きなんですが、そこには学術的価値とはまた違う、当時の精神的な価値があるじゃないですか
話がそれまくりましたが何が言いたいかというと、人間関係において「現実的にどうこう」とかではない、奥の奥にあるきらきらした永遠の価値を感じられる2人だと思うんですね
「永遠は一瞬の中にある」って言ったのはショーペンハウアーだった気がしますが、ひとつの極まった価値のなかでは、一瞬も永遠だし永遠も一瞬というか。永遠とか一瞬とかって時間ではなくて価値なんだろうなって思いますよね
つまりここで定義している永遠の意味としては、哲学用語としての永遠のように超時間的に存在する価値だということが言いたい(無駄すぎるほど長い)
何千年とその人の心に残る価値を持った出会いが描かれているなぁって思う
色んな人に読んでほしい理由
長くなりすぎてこれ1本だけにしたほうが良かったのではないかと思わんでもないですが、ゴールデン・デイズを人にお勧めしたい理由って、その人の感想が聞きたいというのが個人的にとても大きいです
好きでも嫌いでも、良いところも悪いところも、その人がこの作品を読んでどう思ったのかを知りたいなって思う
自分だけの特別な箱に閉じ込めて大切にしたい作品もあるけど、ゴールデン・デイズはどちらかといえば、大切だからこそいろんな人に見てもらって、いろんな感想をききたい作品です
自分だけの価値観でこの作品を見るのってもったいないなって。他の人のいろんな考えをインプットして、また読んで、っていうのを繰り返して、もっといろんな角度から彼らの人生を見つめていきたい
総括
ひとりの人間がタイムスリップして過去の人々と築く関係をとても美しく描き出している作品だと心から思う。過去の人間の中には未来が芽生え、未来にいた人間には過去が蓄積され、それが一本の筋となって人の心をつないでいく
過去と未来がまっすぐにつながって「今」にたどり着いている描写に感動するし、タイムスリップもので描くべきはこういう人間関係なのかなぁと読んでいて感じた
そんなわけで リンクはあえて文庫版の4巻を貼っているぞ!!!!!文庫の4巻には文庫の描き下ろし漫画があるんですが、今まで読んだ漫画の描き下ろしで一番心が揺さぶられる短編でした
本編を読んで感動したなら、絶対にこの描き下ろしを読んでほしい
これがなくても物語はきちんと終わるんですが、これが正しいエピローグなのかなと思う。とても美しい。「美しい」という言葉の美しさがふんだんに詰め込まれている
「BASARA」――田村由美
言わずと知れた少女漫画の建国大河ロマンの大作。個人的にゴールデン・デイズが情操のバイブルだったら、BASARAは思考のバイブルみたいなところがある。この物語に登場するさまざまな立場の人間のそれぞれ異なる考えを手に持っていたいと思う
おはなし
文明や科学が退化し、荒廃した世界。日本は京を中心とした4つの州に分かれ、国民は王家の圧政に苦しめられていた。ある日、白虎の村に双子の兄妹が生まれる。兄のタタラは国を救うと予言された「運命の子供」として、村の期待を一身に背負いっていた。妹の更紗は「タタラの妹」とみられることに寂しさを募らせていたが、優しい兄を始めとする家族や村のみんなに囲まれ元気に暮らしていた。
2人が15歳になった日、国王の末子である赤の王の軍勢が白虎の村を急襲。タタラと村長である父が殺害され、母は連れ去らわれてしまう。皆が絶望に沈む中、更紗は「わたしがいない時はお前がこの村を守るんだよ」というタタラの言葉を思い出し、髪を切りタタラとして立ち上がる。タタラとして生きることを決めた更紗は、白虎の宝刀を携えて赤の王を倒すべく旅に出る。
道中、一人の青年・朱理と出会いお互いに心惹かれていくが、実は朱理こそが赤の王本人だった。2人はお互いの正体を知らずに愛し合い、戦いに身を投じていく。(Wikiから引用・編集)
ひらったく言うとの少女漫画的ラブロマンスが詰め込まれている架空戦記なのですが、あらゆる立場の人間のさまざまな視点が鮮やかに描かれていて、勉強になるなぁと読んでいて思う作品です
正義や悪は立場が異なることによって変わると一般的に言われますが、この作品は自分たちの目線で正義と悪を判断しているのではなく、国の未来として何が正しい道なのかを判断基準に据えて迷いながら進んでいっているところに好感が持てます
正しいか正しくないかはどうしたって長い歴史において判定されるものでもありますが、ひたむきに命を燃焼するように最大限生きていく更紗たちの生き様は、見ていて胸が熱くなります
好きなところ
これも女の子が頑張る物語だから好き、という部類に入る気がします
少女革命ウテナの天上ウテナとか、革命者としての女の子はどうしても気になるし好き。春日望美とかね
でも更紗は正直心が清すぎて、さらに無茶すぎて、ウテナとか望美とかと同じように好きなわけではないし、ちょっとどうかなって思う部分もかなりあったりもする
それでも彼女を応援せずにはいられない、魅力的な人間だなぁと思います
また更紗に協力する人たちがとても素敵なのもあって、やっぱり応援せずにはいられないんだよな~結局
弱くて穢れない主人公
先日マンガワンでBASARAを全配信していたのですが、主人公である更紗がうじうじしてて嫌いってコメントがそこそこあって少し驚きました
15,6歳の少女なので仕方ないところもあるのですが、確かにそういうところもあるのかな~という気もしました。すぐに泣いちゃって進むまでに少し時間がかかるところもあるしなぁって
でもやっぱり更紗の強さって、そういう彼女の弱さかなとも思う
更紗はしょっちゅう泣くし甘いし性善説極まりすぎてて大丈夫か?って思うこともあるし、運がなければ乗り切れないところもたくさんあるんですが、ある意味「更紗が弱いから」周りが彼女を助けてくれる。世界が彼女を助けてくれる。弱いけど、泣き虫だけど、それでも歯を食いしばって前に歩いていく更紗だから、すべてが力を貸してくれる
ご都合主義と言ってしまえばそれまでなんですが、でもそれが彼女の強さで、この物語が持つ力なんだろうなぁと思います
そういう彼女だからこそ「運命の子」という説得材料にもなってるというか
時代と世界が彼女を選んでいて、運の強さもこれだけで説明できちゃうなって思う、個人的には
そもそも「泣かない」とか「踏み荒らしてでも進む」みたいなことだけが強さでもないんだけど、良くも悪くも純粋な少女らしさを持ち続けている更紗だからこそ開けていく未来でもあるのかな~と
更紗の甘すぎる優しさがあったから切り拓けた道はたくさんあるし、けもの道でも進んでいくタタラの強さが切り拓いた道もたくさんある
この漫画の冒頭にバサラとは金剛石(ダイヤモンド)を意味するという説明がありますが、更紗の傷ついても簡単に砕けないところ、穢れ切らずに輝き続けるその心の強さを意味してるんだろうなぁと思う。いやほんと強い子だよ更紗は…
心に刻みたい名台詞ばっかり
わたしはとにかく「言葉」を重要視する傾向があり、物語でも台詞を大きくとらえるタイプなのでものすご~く作品の台詞とかを気にするんですが、BASARAは本当に台詞がめ…………っちゃくちゃいいんですよね…めっちゃくちゃいい、もうどのキャラにも5つ以上好きな台詞があるし、胸に飾っておきたい台詞がたっくさんある
そもそもBASARAを読み始めたきっかけも少女漫画の印象的なセリフを書き出すスレみたいなやつをダラダラ見ていて、出てくるもの全部が全部めちゃくちゃツボにハマってうわ、絶対読もう…と思ってその日のうちに何も考えずに文庫5冊買って翌日に残りを全部揃えたという突発的行動だったんですけど本当にあの時読もうと思ってよかったなって
買うきっかけになったのは四道の「私の死が彼女に優しく伝わればいいけれど……」というモノローグでした。これが出てきた時にこれか~~~~!!!!!!!!!ってなってめちゃくちゃ泣いた。いいシーンだった
最早すべての台詞が好きですが、やっぱり一番胸に残っているのは白虎がついているときの更紗とママの台詞のやりとりと戦場での赤の王の演説ですよね。もうみんな好きだよねここね。沖縄のあたりの物語もいろいろ考えますよね。好きですよね。もう全部好きだよね
良いエピソードも良いキャラもいっぱい
エピソード的には網走刑務所がとてもとても好きです。なぜなら水の鹿が好きだからです
どんな理由があれど箱庭に生かざるをえない不自由な人間とその世界に真っ向から向き合って蹴破って風穴を開けて輝く夜空とオーロラを見せるみたいなお話が本当に好きです。そうだねグレンラガンだね。当然この流れで行くとBASARAで一番好きなのは言わずもがな浅葱ですね。そして熊野が好きだね。そういうことです。なっちゃんひーちゃん浅葱群竹最高ですね。本当最高。めちゃくちゃ泣いた。幸せであれ
神子だから四神とか熊野出てくるとテンション上がっちゃう
これよ
色々あれどこれはかなりデカいのよ。だって白龍の神子だもんそうなるよ。よくわかんない郷愁持ちながら見ちゃうから。熊野とか。玄武の刀とか。魂の記憶かってくらい染みついちゃってるから仕方ないよね!つまり神子にオススメ!
このBASARAは連載当時学生だった人たちは結構当たり前に知っている作品ぽいのですが、いつ読んでも古くならない不朽の価値観が描かれていると思うし、知らん人にはぜひ触れてみてほしいなあと思う
わたしにとってはくじけそうになったら開く、大切な作品のひとつです
生きることに不器用だけれど精一杯人生を生きているキャラクターみんなが愛しくて大好きな作品。小川彌生作品で一番好き
何回かドラマ化されていて、そのどれもが漫画とは違った味付けがあってそれはそれで面白いですが、どーーしたって省かれるエピソードがたくさんあるし漫画の愛おしさはなかなか出ないな…と思ってしまうんだな~~~
おはなし
巷談新聞社に勤める巌谷澄麗(スミレ)は、モデルの様な容姿と明晰な頭脳を持つ才色兼備のキャリアウーマンだが、本当は繊細で恋愛に不器用。
失恋と左遷でストレスを抱えていたある日、スミレは家の前に転がっていたダンボールに捨てられた青年・合田武志を見つける。居場所がないという武志は同居を求めるが、スミレは追い払うつもりで「昔飼っていたペットに似ているからペットとしてなら住まわせる」と提案。しかし武志はすんなりとそれを受け入れ、ペットの「モモ」として同居を始める。
不器用で不安定な二人の共同生活を描いたラブコメ。(Wikiから引用・編集)
ひらったくいうとアラサーのスーパーバリキャリ美女の家にペットとしてダンサーの男の子が住むお話です。ドラマとかだと普通の同居ぽい感じで描かれるけど、漫画の初期のほうは扱いがペットな上にスミレちゃんの性格もドギツイので今の社会では受け入れがたい人もいそうだなと思う
単行本だと3巻くらいから本来の話のテーマに移行していくのかな~という印象があり、1,2巻あたりはとにかくスミレちゃんの性格のキツい部分ばかり見続けることになるのでちょっとしんどいかもしれない
いろんな意味で「人間として見られていない」モモがスミレちゃんにとってかけがえのない存在になっていく過程をラブコメとして見ても面白いし、逆に「人間として見られていなかった」からこそモモがスミレちゃんにとって特別な存在になったともいえる部分に人間関係の面白さも見えるしで、とても好きな作品です
好きなところ
めちゃくちゃ二次元
ハイパーバリキャリ女性がイケメンのダンサーをペットとして飼っていたり、イケメンな先輩とお花畑なカップルをしていたり、ライバルもペットとして彼氏の家に上がり込んだり「めちゃくちゃ二次元じゃん!」って出来事が起きるのが個人的に面白いと思うところです
そもそも「二次元じゃん!」って思って楽しめる作品が好きなのもあるんだけども、二次元すぎると冷めるので(めんどうくさいオタク)、ちょうどよいラインをいってくれている作品なんだと思います
どう転んでもスミレちゃんの表面であるバリキャリと自分は似ても似つかないけど、スミレちゃんが仕事でうまくいったり、逆に落ち込んで人間関係に悩んだり自己嫌悪する姿を見ると自分も頑張ろうって思うし反省しようって思える
気持ちの作用的には『プラダを着た悪魔』のアンディを見てるのに近い気がする。わたしはアン・ハサウェイじゃないしアンディみたいに努力家でもないけどアンディの気持ちわかるよ。みたいな
現実的にいそうで絶対いない濃いキャラクターたちの赤裸々な日常が好きなのかもしれない
全員悩みを抱えながら精一杯生きている
これは小川彌生先生の作風の一つでもあると思いますが、傍から見れば鮮やかに生きて見える人も本当は全然足取り軽くなんて生きていなくて、みっともなくてどうしようもない自分を抱えて泣きわめきながら匍匐前進して生きている
恋愛の些細な悩みや、仕事の悩み、留学している時の悩みも結構リアルで、全員のどこかに感情移入ができるなぁと
特にわたしは気が小さいくせにプライドばかり高いところがスミレちゃんとよく似ているので、スミレちゃんが抱えるとげとげした感情を全部まあるく包んでくれるモモの何気ない一言や、ユリちゃんのぴしっとした言葉に救われます
引用が多くて引用萌えとしてときめく
スミレちゃんの職業が新聞記者でモモがダンサーなのも理由の一つではありますが、芸術的なものの引用やオマージュ、パロディが多いのも好きな理由のひとつです。これは小川先生の作品すべてに言えることですけれども
あときみぺってめちゃくちゃファンタジー要素が強くて。タイムスリップしたり意識の中で違う世界に迷い込んだり、わりとそういうぼんやりしたものが未来を決める要因になっていくし、スピリチュアルぽい要素も持っているので好き嫌いも分かれるとは思うんですけど、個人的にはそういうところも好き
個人的に印象的な回はアメリカ人であるエマが日本の「縁」について勉強している話なんですが、仏教とキリスト教の立場から「縁」という概念を話していて、すごく納得した記憶があります
育ってきた環境や信じているもの、大切にしている価値観が違っても、理解しようと思い、その人のことを尊重しようと思った時、どんな人もいとおしく思えるよね。という、いわゆるライプニッツが言う永遠の哲学的な話でもあるんですが、一つの物語としてさらっとそれを描くのっていいな~って
くせのつよいキャラクターを多く生みだす作者さんでもあるので、合う合わないはあるかなぁと思いますが、個人的にはそういうキャラクターたちがとても愛しく、うらやましく映ります
この人の作品も好きな台詞がとても多くて、特にハマって読んでいたころは多感な年齢だったのもあり、モモの言葉にはずっと救われ続けてきた気がします
小川作品は現実的な苦しさもありながらも作品世界の価値観が善に満ちていて好きなんだな~
きみぺはどのキャラクターも本当に好きなんですが、ユリちゃんとスケナリが特に好き
あと基本的に小川先生の絵が本当に好き。体のバランスとか指とか手とか爪とかすごく好き。女の子のまつ毛とかピアスのキャッチとかも好きだし男の顔も好き
小川先生の作品で一番好きなキャラは『キス&ネバークライ』に出てくるドミニクです。キスネバは読む人をもっと選ぶけどドミが最高なので気が向いたら読んでくれよな!
長すぎだし何一つ得るもののない作品紹介すぎて公開をためらうレベルなんですけどここまで書いたしわたしのチラシの裏だからまあいっかな!!!!!!と思って晒した
むか~~~しむかしゴールデン・デイズ読んだあと泣きながら描いた絵でものせておくネ
今以上にへったくそな絵だけど、たぶん今描いてもこの絵みたいには描けないと思うから気に入っている